三留商店

アドリア海の太陽を浴びてマルケ州のフィッグ・ログイタリア/マルケ州「いちじくロール」

イタリア/マルケ州「いちじくロール」
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フィッグ・ログ 無花果の丸太という名のとおり、無花果を棒状に固めたものです。
これはイタリアはマルクケ州の「ザ・ベスト・ラファエロ」の製品。マルケ州は国土のちょうどまん中に位置することからハート・オフ・イタリアーといわれる州です。豊かな自然に恵まれ、国内有数の無花果の産地としても知られています。
無花果は、整腸作用にすぐれ、カルシウムが多く含まれること、すでによくご存じのとおり。世界の各地で、“命の木”と呼ばれる所以も、こんなところにあるにでしょうか。

栽培の歴史は旧く、古代ギリシャ時代にまで溯るといいます。彼の地ののアスリートたちが、体力の増強を目的に好んで食べたとか。たいへん興味深い話です。種類が多いことも特徴で、日本には三十種類くらいが渡来。そのうち数種類が定着してといいます。
イタリアのアンティパストで、生の無花果をプロシュート(豚股肉の生ハム)で包むものがありますが、“フィッグ・ログ”の場合は、干し無花果を使って作るのです。
九月から十月にかけて収穫した果実は、天日に当て充分に乾燥。この果肉を解して、アニスシード、粗微塵のアーモンドと胡桃を練り合わせ、シリンダーにぎゅうぎゅうに詰め込んで固めます。いかに大量の無花果が必要か、ご想像いただけるでしょう。年間の生産料が、わずか千五百本というのも、おおいに頷けます。
固まったら無花果の葉で包んで“フィッグ・ログ”のできあがり。マルケ州の人々は、これをこのまま保存し、一年間少しずつ食べて楽しみます。お薦めしたいのは、ペッコリーノチーズやプロシュートと一緒に愉しむ食べ方。ワインとの相性も抜群です。
もちろん、そのままスライスして、お茶漬けのように召し上がってもおいしいものです。ずっとスパイシーではありますが、ちょうど干し柿に通じる食感が、日本人にとっては親しみ深いものでしょう。

なお、ごく小さな角切りにし、各種のサラダに加えるのも一法。独特の風味が、サラダの清涼感と相俟って新鮮なおいしさです。意外なことに、ポテトサラダにも上々でした。
また、これを使ってソースを仕立てるという手も。。。。
刻んだ“フィッグ・ログ”に水を加えて火にかけ、頃合いに煮詰めて塩と胡椒で調味。コニャックなどを振り掛けて仕上げてもよろしいでしょう。
ソテーした肉などにかけるわけですが、どちらかといえば、野性味のある肉のほうが適しています。鴨や仔羊、豚肉などはお誂え向き。よく合うこと驚くばかりです。

三留商店主人より

「四季の味」No.31/冬号 寄稿