三留商店

余韻ゆたかな素朴な味ミレーユ・フォシエの「マドレーヌ」
レモン/オレンジピール/レーズン/プレーン

ミレーユ・フォシエの「マドレーヌ」

※現在のお取り扱いはございません。

マドレーヌは、フランスに古くから伝わる貝殻形の菓子。日本でも、焼き菓子の代表選手といっていいほど、すっかりお馴染みです。
誰でも簡単に作れるので、フランスの女の子が最初に習う焼き菓子として定着しているそうですが、専門家が丹精をこめて焼き上げたものは、やはり何かが違います。

ここにご紹介するミレーユ・フォシエのマドレーヌが、まさにそれ。どこか懐かしさを覚えるような、やさしい味わいが魅力です。
ミレーユ・フォシエは、フランスの南西部に位置するトゥールーズに住む女性。煉瓦造りの建築物が多いことから、バラ色の都市と呼ばれるこの街の片隅に、マドレーヌやプチケーキを作るアトリエを構えています。
彼女は、幼いころに食べていた素朴な味の記憶を蘇らせたい気持ちから、マドレーヌを作りはじめたそうです。もちらん、一から十まですべて手作り。地元産の小麦やバターをはじめ、ピレネー山脈の養蜂家から届く天然の蜂蜜や、産みたての新鮮な卵を使って、昔どおりの手法で焼き上げます。当然ながら、保存料や着色料はいっさい使いません。

フォシエさんは、自分のお店を持っているわけではなく、でき上がった菓子をすべてグルメショップなどに卸しています。パリのラファイエット・グルメショップでは定番商品となっていて、味にうるさいパリっ子たちの評判も上上のようです。
ラインナップは、プレーン、オレンジ、レモン、レーズンの四種類。どれもぷっくらとしたコブができていますが、これはイーストのガスがきちんと抜けている証しとか。
食感はしっとり。生地にしっかりと味が染みこんでいて、材料の質の高さがうかがえます。口いっぱいに広がる香りの余韻が、また格別です。
うららかな日差しを浴びながらゆったりと過ごすティータイムに、ぜひお愉しみください。

三留商店主人より

「四季の味」No.64/春号 寄稿