三留商店

修道院のぺぺロンチーノイタリア・ベネディクト会の「シロエ」

イタリア・ベネディクト会のシロエ
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ぺぺロンチーノは、イタリア語で唐辛子のこと。よくご存知のように、あちらにはじつにさまざまな唐辛子があって、大きく甘味種と辛味種に分けられますが、香辛料にはおもに辛味種を乾燥させたものを使用します。
ご紹介するぺぺロンチーノは、トスカーナ州マレンマの教会で、五人の修道士たちが手作りしているもの。風味のよさは抜群で、一度お使いになれば手放せなくなること請け合いです。

大量生産のぺぺロンチーノは、出荷を早めるために簡単に乾燥させてしまいますが、彼らは厳選した品種をていねいに栽培して手で摘み取り、網の上にのせて、扇風機のような機械でゆっくり乾燥させます。こうすると味や香りが逃げにくいため、じつに風味ゆたかに仕上がるというわけ。
地元のレストランのあいだでも、これほどピュアなぺぺロンチーノはないと評判になり、瞬く間にトスカーナ中から注文が舞い込んだそうです。そして、ビオロジコ(EU全体の無農薬の認定)を受け、イタリアぺぺロンチーノ教会の推薦品にもなりました。
この五人は、はじめから神父を目指して修道士になったのではなく、いわゆる脱サラ、リタイヤ組とか。若いころから建築家や銀行員としてエネルギッシュに働いてましたが、やがて静かに祈りながら働く暮らしを望むようになり、カトリック教最古の修道会であるベネディクト会に入りました。

修道院では、労働と祈りの共同生活を送ります。しかし彼らは、根っからの修道士たちからはどうしても浮いてしまう存在に。自然に五人のグループとなり、いままで培ってきた経験をもとに研究を重ねて、このぺぺロンチーノを作りはじめたそうです。
商標のシロエは、旧約聖書に出てくる泉の名。泉のように静かに心の中を見つめたい、そんな想いが籠められているのではないでしょうか。
さて、このシロエのぺぺロンチーノのラインナップは、次の四種類。
・黄色のぺぺロンチーノ ハンガリーとベトナム、ラオス原産種をミックス。辛口。野菜のグリルに。

・赤のぺぺロンチーノ 地中海原産のバチーノ種、メディテラーノ種を使用。中辛。肉や根菜の料理に。
・四色のぺぺロンチーノ 赤、緑、黄色、茶色をミックス。中辛。肉料理からパスタまで幅広く。
・緑のぺぺロンチーノ 八種類の唐辛子をミックス。中辛。クリーム系のスープや魚料理に最適。

ご覧のように色合いも魅力。料理の彩りを考えながら使い分けるのも、また一興でしょう。

三留商店主人より

「四季の味」No.58/秋号 寄稿