三留商店

搾りたてをそのまま冷凍ノヴィジオ・オリーブオイル

ノヴィジオ・オリーブオイル
※現在のお取り扱いはございません。

イタリアのノヴィジオ社製の冷凍オリーブオイルをご紹介しましょう。
淡い翡翠色の美しさもさることながら、畑からもいだばかりの果実そのままの馥郁たる香りは、搾りたてをすぐに冷凍することで実現しました。これこそ、世界中の一流シェフから革命的と絶賛される所以です。
むろん、これは生食用。比類ないフレッシュな味と芳香が身上ですから、茹でたてのパスタにかけたり、サラダのソース、パンを浸すなどの食べ方でこそ、真価を発揮します。
この冷凍技術を開発したのが、フィレンツェの名門ワイナリーとして知られる公爵家の令嬢、しかも、二十四歳の若さと聞いて驚くばかりです。
彼女の名は、アレッシア。アンティノーリ公爵家三女として生を受けました。フィレンツェ農業大学を卒業して家業んに携わり、「冬でも、フレッシュオリーブオイルを」と三年を費やして、冷凍技術を完成させたといいます。
いやはや、近ごろの女性のたくましいことといったら、ただ瞠目するのみです。

女性といえば、このオリーブオイルをはじめ、イタリアの知られざる美味を見つけては輸入し、私に手渡してくれるのも、宮坂玲子さんというパワフルな女性。「ノンナ・アンド・シディ」という小さな輸入会社の代表です。
イタリアには、伝統製法を頑なまでに守り、優れた食品を営々と作り続ける生産者、いえ、職人が多くいます。宮坂さんの仕事は、まず、こんな製品を自分の舌で探し出すこと。当然ながら、そういった製品は、効率は二の次のていねいな仕事から生まれます。職人たちは、そのことに誇りを持っているので、大手商社のような一網打尽の仕入れは通用しません。宮坂さんの次なる仕事は、作り手と信頼関係を築くこと。誠意をもって交渉し、彼らが意気に感じてくれて、成立したときの感激は一入、と話してくれました。
このオリーブオイルも、そんな心意気の賜物なのです。

三留商店主人より

「四季の味」No.26/秋号 寄稿